公募増資とは
企業が株式を発行する手法の一つとして、公募増資という手段があります。
公募増資は新しい株式を発行する際に、不特定かつ多数の投資家に対して取得の申し込みを勧誘することです。
公募増資を行う目的としては、資金を広く一般投資家から集めるためで、設備投資などに利用されます。
また株式を発行する為に保有株主が増大し、株式の流通が増えます。
通常、公募増資される場合の価格は、通常の株価(時価)より若干割引された価格で売り出されます。
右肩上がりの成長を遂げている企業が公募増資を行うと割安で株式を取得することが可能です。
PO(公募・売出)とは
PO(公募・売出)とはPublic Offeringの略称です。
既公開株式とも言い、すでに上場している株式を不特定多数の投資家に対して、新規に発行すること」で、売出とは「自社株や大株主が保有していた株式を市場に売却すること」です。
POの申し込み方法は
POの申し込み方法と株式取得方法にはいくつかの手順があります。
POの情報をキャッチしたら取引が可能な証券会社であるか確認
掲載される目論見書の確認を行う
ブックビルディング期間に割引価格と購入希望株数を申告する
PO(公募・売出)価格が決定する
当選もしくは落選通知が届く
当選の後、購入申し込みをする
POのメリットデメリット
メリット
なんといっても割引された価格で購入できる
公募された価格は通常取引されている時価の株価より割安で購入できます。
2~6%程割引されることが多いため、お得に購入することが可能です。
流動性が上がる
公募されると市場で取引できる株式が大幅に増加します。
取引をする投資家が一気に増えるため、公募された銘柄が活況に取引されます。
IPOと違い事前リサーチが出来る
IPO(新規公開株式)と違ってPOはすでに上場している銘柄です。
今までの株式推移や財務情報など、事前に公表されている情報を基に投資判断を行うことが出来ます。
現在の株式から企業の健康状態をテクニカルにリサーチできる点はIPOと大きく異なります。
デメリット
株価が希薄化する為、短期的に株価が落ち込む可能性がある
公募をした場合、市場で取引のできる株式が大幅に増加します。
流動性が上がるメリットがある半面、発行済み株式数が増加することで希薄化が発生します。
そのため、短期的な売り指標に圧力がかかり短期的に株価が下落することがあります。
PO株を取得するまでには期間がかかる
価格決定してから実際にPO株を取得できるまでには、一定の期間がかかります。
PO株を取得したタイミングで割引率を下回るように株価が遷移すると、売り抜けをするのは難しくなります。
そのため、短期的投資には不向きです。
財務改善、経営改善に利用される場合がある
公募目的によっては財務改善や経営改善のために公募される場合もあります。
どのような目的で公募されているのかは注視が必要です。